アイデア作成は関連性を見つけること
良いアイデアがいきなりハッとひらめけばいいのですが、どうしてもアイデアをひねり出さなくてはいけない時に、多くの人は頭を抱えてしまいます。良いアイデアと言うものは、偶然の産物のように思えてしまいます。しかし、アイデア形成の過程が一定の心理的なプロセスであるとすると、アイデアを生みだす技術を習得し使いこなせるのではないでしょうか。
そのアイデア作成のために原則と方法について、アメリカのトンプソン社の常任最高顧問ジェームス・W・ヤングが著書「アイデアの作り方」に書いています。1940年に書かれ、しかもわずか62ページにもかかわらず、現代にも通用する内容が論理的に述べられています。それを元に、現在のビジネス・研究等で応用していく為の実践的なステップを掲載している記事をご紹介したいと思います。
まずはじめにアイデアの原則は、既存の要素の新しい組み合わせです。ゼロから新たなアイデアが生まれるのでは無く、他の事実と関連性や類似性をもっています。全く異なるように見える物同士の組み合わせでも、総合的な原理が潜んでいる場合が多くあります。
そして新しい組み合わせを作り出す能力は、物事の関連性が見つけられると、それにより総合的な原理を引き出せる可能性が飛躍的に向上します。適用可能な総合原理を見つけることができれば、それがアイデアとなります。その考えを元にし、現代のビジネスでも適応できるアイデア作成法を考えていきます。
まず始めは、物事の関連性を見つけ出す為にも様々な資料等からデータ収集を行います。自分の仕事上に必要な一般的知識から、一歩踏み込んだ専門領域に特化した特殊な知識、その物事に対し関連性があるものを徐々に広げていきます。インターネットをはじめ、専門誌など近年では様々な情報が入手しやすくなっています。
また専門的分野であれば、その分野の人の話を聞くなど、ありとあらゆるところからデータを収集していく事が出来ます。
次に膨大な量のデータを咀嚼し、より情報の理解を深めていきます。その物事に対し関連性があるものに触れることにより、様々な角度からその物事を眺め、その真意を追求することが出来ます。ここで発見する事が出来る部分的なアイデアを記憶しておくことにより、次のステップへとつなげて行く事が出来ます。
専門書を5~10冊読むと、その中の5割程度は共通した事が書かれていることが分かります。その共通した事を土台とし、それぞれにしか書かれていないいわばその専門書の特色となる事柄を掻い摘んでまとめていく事により、より把握しやすくなります。
部分的なアイデアから、様々な物への関連性を考え、物事を孵化させていきます。俗に言うアイデアを温めるという事で、今までに自分が調べて来たものや、それとは全く関係の無い日常的なもの等、様々な方面から新しい組み合わせを模索していきます。そのためにもデータ収集と、それを咀嚼していく事がいかに大切なのかがわかります。この時点でその物事をまったく別のものととらえてしまうと、根本的方向性がまったく別のものへと変わってしまう恐れがあるからです。
こうした事を進めていくことにより、新たなアイデアを作ることが出来ます。生まれたアイデアを記録しておくことはとても重要です。どんな事でも思った事はすぐに記録をとる癖をつけておきましょう。
次に生まれたアイデアを、現実へむけて具現化していきます。この段階では必ずしも現実の状況に完全にフィットしているわけではありません。それを現実のものへと適合させていく展開作業が必要になってきます。より実践に向けての実証や実験を繰り返し、専門家等にアイデアを提示することにより、修正を加えていきます。
ここでの作業は時間も掛かり、大変な労力を費やす可能性があります。しかしここで諦めてしまっては今までの事が無駄になってしまいます。一人で困難な事は、抱え込まずに周りの協力を経て行っていきましょう。
このようにアイデア作成の根本にあるものは、物事への関連性を知るべきための知識になってきます。それを把握する事により、2倍にも10倍にも膨らんでいきます。
それにより一瞬の閃きもより生まれやすくなってくると思います。アイデア作成に一番大切な事は、その物事への関心と追求という地道な一面と、アイデアが生まれたときに、それを形にする為の行動力という事だと思います。楽しみながら新たなアイディアを見つけていけることが一番でしょう。
引用元記事(凹レンズ ~まとまりのない日記~):
1940年、アメリカ最大の広告代理店・トンプソン社の常任最高顧問ジェームス・W・ヤングによって書かれた「アイデアの作り方」が、めちゃくちゃ洗練されていたので紹介します。この本の主文のページ数は、たったの62ページで、さらに、非常に大きな字で書かれています。これだけ短いページで、しかも現代にも十分すぎるほど通用する内容が書かれており、はっきりいって驚きでした。
引用元URL:
半世紀前のアイデア作成法が秀逸すぎる – 凹レンズ ~まとまりのない日記~
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