軍隊なしの非武装国でいられる理由

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北朝鮮問題等で今尚緊迫状態が続く東アジア。日本では軍隊を放棄すると憲法に定めながらも、自衛隊をもって自国を守っています。では軍隊のない国家はどうして非武装でいられるのかという疑問を持っている人はいると思います。とてもそれをわかりやすく、そして興味深く紹介している記事をご紹介したいと思います。

軍隊のない国家(前田郎 著)によると、世界の27ヶ国もの国が軍隊を持っていないといいます。特に島国には非武装の国がたくさんあり、ミクロネシア連邦やパラオ、モルディヴやセントルシア等、軍隊を持たず平和に暮らしている島国が多くあります。その他でもモナコ公国や、バチカン、サンマリノやパナマなど非武装国は多くあります。これらの国々が軍隊をもたず、他国から侵略されることなく平和に暮らしているのかを国ごとの様々な理由ごとにみてみましょう。

太平洋やインド洋の小さな島国が非武装でいるのは人口は少なく、経済は小さく、領土は狭い等経済価値の低い国を侵略してもメリットがなく、評判を落としてしまうということになってしまうことが理由のようです。またこれらの小さい国では、自前の軍隊を持とうとしても、まともな規模の軍を編制できません。

ヨーロッパの非武装国、フランスとスペインの山岳地域に存在する人口わずか7万5千人のアンドラ公国等、あまりにも小国過ぎる場合は、大国に保護されるしか手がないというのも理由としてあげられるようです。小国でも人口500万ほどもいると守るべきものが多くなるので軍備を持ち地域の同盟に参加するでしょう。他国任せのにすることなく、大国に対して物が言えるような国際的立場を築きたいからです。しかし人口7万人等の、人口ではすぐそばの大国に完全に身を委ねて、保護してもらっています。このような国々は軍隊をもっても意味がなく、また持たなかったとしても失うものも少ないために、非武装でいるといわれています。

また地勢的に重要な位置でありすぎて非武装にせざるをえない場合もありま、その代表国がパナマです。パナマ運河はアメリカの安全保障にとりとても重要で、かつてアメリカは軍隊を出してパナマを占領しました。非武装でも安全な理由は、アメリカの力が大きく関係してきます。

このほかにも中米には非武装の国がいくつかありますが、太平洋の非武装の島々同様に独立しているとはいえ、外交・安全保障政策ではアメリカに委ねざるをえません。

非武装の国はこれらの合理性があって非武装を選択していますが、戦争に必要であれば遠慮なく攻められ占領されて配下におかれてしまいます。その土地の位置が重要ならば、侵略を受ける可能性はあります。その実例になったのが非武装で中立という立場に関わらず世界大戦に巻き込まれたルクセンブルクです。二度の大戦でドイツ軍に占領され激しい戦いが繰り広げられました。第二次大戦後、非武装永世中立路線を放棄して、ベネルクス三国同盟および欧州統合の道を歩み、小国の地位を逆用して国際機構を設置し成功しています。

大西洋に浮かぶアイスランドも非武装国ですが、第二次世界大戦がはじまると友好国のイギリスに占領されました。ドイツがアイスランドを占領し基地をおいけば戦場になり、ルクセンブルクのように大勢の死傷者がでたでことしょう。このこともありアイスランドはイギリスに抵抗しなかったので、占領の犠牲者は皆無だったといいます。ルクセンブルクやアイスランドは、大戦中の一時的な占領に終りましたが、世界大戦後のチベットなどは、非武装にも関わらず共産中国に攻められ現在にいたるまで抑圧されたままとなっています。

このように非武装の国は、軍隊を持たないため、戦争においては自分の意志を全く通すことができず、運命を他国に任せるような状況になってしまいます。

モナコも、イタリアやドイツの他国に支配されてきましたが、1951年にフランスと相互援助友好条約を締結し、モナコは軍事力を持たず、フランスによって領土の防衛を約束されていいます。またスイスとスウェーデンといった重武装中立の国は防衛努力をすることで侵略を防ぎました。自前の軍隊をもち、防衛努力をすることは、自分の運命を自分で決める力をもつということになり、他国の思うがままに蹂躙されるだけにならず、交渉力や抵抗力等の自主性をもつことができるといいます。

このように軍隊を持たない国は、非武装以外の選択肢が無い小国、また小国であるがゆえに守るべきものが少ない、周辺の大国の保護下に入っているということから軍隊を持たなくて済むのです。それ以外の国では、国民の命や権利、国土などを守り、他の大国の意向や国際情勢に流されない為にも自前の防衛力をもっているということです。

引用元記事(リアリズムと防衛を学ぶ):

私たち日本人は軍隊を放棄すると憲法に書きながら、軍隊ではない自衛隊をもって自らを守っています。それでも軍隊のない国家への憧れは根強いようです。昔は「非武装中立論」があり、今でも「無防備都市宣言」活動があります。
 世界に目を向ければ、意外と多く、本当に軍隊を持たない国家が実在します。それらの国は非武装、無防備で、しかも誰に侵略されるでもなく平和を保っています。これはどういうことでしょう。本当は軍隊なんていらないのでしょうか。いったい何故、「軍隊のない国家」は平和でいられるのでしょうか?

引用元URL:
軍隊のない国は、なぜ非武装でいられるのか? – リアリズムと防衛を学ぶ

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